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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第10章 東京・京都姉妹校交流会



「野薔薇ちゃ……釘崎さんは帳が下りた直後に本部に向かってます。途中で真依先輩と合流してるはずです。真希先輩と伏黒くんは下の川の方でその特級と戦ってて……」

動揺しながらもきちんと状況を伝達できているなずなに西宮は少し感心した。


まだ1年生、経験も浅いだろうにこの非常事態に置かれても周りが見えている。



「あの、そちらの三輪先輩、特級呪霊が出てくる前に狗巻先輩が呪言で眠らせちゃったんです。電話越しだったからどこにいるかも分からなくて……もしかしたら、まだどこかで眠ってるかも……」

「……分かった、霞ちゃんのこともこっちに任せて。本部から生徒の位置を確認してるから、私が加茂君達を運んだら、状況を見て救出に行くわ」

西宮はいち早く帳を出て、本部とも連絡を取れていた。

この帳は五条 悟以外の者は出入り自由。
加茂と狗巻を本部へ送るのは問題ない。


これ以上状況を悪化させずに特級呪霊の足止めを続ける、五条が帳を破って入ってくるまで持ち堪えられれば、特級呪霊も祓える。


西宮は自分達の取るべき行動を頭の中で組み立てた。


「ありがと。特級呪霊の居場所は私から東堂君に連絡するわ。あなたは真希ちゃんと伏黒君にそう伝えて、東堂君が着くまでの時間を稼いで」

「で、でも……」

相手は特級呪霊だ。
現に加茂や狗巻が手酷くやられている。


「大丈夫、東堂君が強いことはあなたもよく知ってるでしょ?」


以前、楽巌寺学長が交流会の打ち合わせで東京校へ赴いた時、ついて行った東堂と真依が東京校の1年生達を伸したことを西宮は真依から聞いていた。

その話を聞いた時は1年相手に大人気ないとも思ったが、強さだけなら十分知らしめたはずだ。



なずなに意識のない2人を箒に乗せるのを手伝ってもらい、西宮はふわりと浮き上がる。


「絶対に無理しちゃダメよ。時間を稼ぐだけでいいから」

「はい……!」


西宮の言葉に頷き、なずなは踵を返して真希と伏黒が特級呪霊と戦っている川の方へ向かった。


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