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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第10章 東京・京都姉妹校交流会



「狗巻先輩、加茂先輩!起きてください!!」


ダメだ。
2人とも気を失っていて反応がない。


急いで状態を確認する。

狗巻の方はすでに血は止まっている。これ以上呪言を使わなければ、大事には至らないだろう。

対して加茂は頭部の負傷だ。呼吸も脈もあるが、頭蓋骨が割れていたり、脳が損傷していると危ない。

なずなは上着を脱いで加茂の頭に巻く。


早く、2人を治療できる場所に避難させないと……!


いくら術式で身体強化できても、なずな1人では加茂と狗巻を2人いっぺんには運べない。
まず緊急性の高い加茂から優先すべきだろう。


途中で誰かに会ったら、その人に加茂先輩を託して、自分は狗巻先輩の方に引き返せばいい。


そう言い聞かせて、加茂を背負おうとする。



「よいしょ……ととっ」


意識がなく、力の抜けた身体は思うように持ち上がらない。
長い手足と制服の裾に邪魔されて危うくバランスを崩しそうになる。


体格差ゆえになかなか背中に引き上げられず、苦戦していると、不意に誰かが近づいてくる気配がした。


ハッと辺りを見渡す。


が、誰も来ていない。




気が張っていて勘違いしてしまったかと思っていると、なずなの予想外の方向、上空から声が降ってきた。


「大丈夫っ!?」


そう言って降りてきたのは京都校の西宮。
箒に乗って空を飛んできたのだ。

味方であることになずなは安堵する。


「私は大丈夫です。で、でも狗巻先輩と加茂先輩が……」

「呪霊にやられたの?」

「はい、特級呪霊が現れて……早く本部へ運ばないと」

「私が2人を運ぶわ。他の人がどうしてるか分かる?」

西宮なら怪我人を空路で運べる。
運びながら教員と連絡も取れるし、上空から大まかな様子も分かる。

教員と共有するためにも今はとにかく細かい情報がほしい。


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