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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第10章 東京・京都姉妹校交流会



真希となずなが楼閣の裏手にたどり着くと、建物の外を鵺が飛んでいるのが見えた。

鵺の方も2人を確認したようで、建物の表側へ飛行していく。

「恵がそっちにいるってことか……なずな、特級の背後を取るぞ」

「は、はい!」




屋根伝いに楼閣を登っていると、大きな衝突音とともに建物全体が揺れた。


まさに今登っている楼閣の最上部の屋根から砂煙が見える。



2人は一足飛びにそこまで駆け上がる。




いた……!


屋根の向こう側には特級呪霊。

おそらくこちらには気づいてない。


真希は右から頭を、なずなは左から胴を狙って切り込む。




“そのナマクラでは私は斬れませんよ”

「!」


ゆらりと立ち上がった呪霊は背後から襲いかかった真希の刀を、右手の甲で受ける。
その硬度に刀は真っ二つに折れた。

真希が思わず舌打ちする。


なずなの方は折れはしなかったものの、硬質な音を立てて弾かれた。


攻撃を受けた右腕、胴ともに傷ひとつない。



特級呪霊の意識が真希となずなに向く。

わずかにできたその隙に呪霊の背後に迫る影。
すかさず伏黒が目の部分の樹を切り落とした。


“こちらの刀は悪くない”


「もっといいのがあるぜ?」


折られた刀を捨て、伏黒が影から取り出した呪具を受け取る。

「これを使うのは、胸糞悪ィけどな」


真希が構えたのは三節棍。

天与呪縛により人間離れした真希の膂力で特級呪具 游雲が炸裂する。



先刻の狗巻の呪言とは比べものにならない威力で特級呪霊が眼下の森へ弾き飛ばされた。



「なずなは棘と憲紀の応急処置。恵、特級を追うぞ!」


その指示にうなずき、真希と伏黒は森へ、なずなはその場に残る。


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