第10章 東京・京都姉妹校交流会
団体戦開始ー
東京チームは玉犬を先頭にパンダ、虎杖、真希……とまとまって、両校のスタート位置の中間を流れる川を目指した。
「ボス呪霊、どの辺にいるかな?」
走りながら虎杖がパンダに尋ねる。
「放たれたのは両校の中間地点だろうけど、まぁじっとはしてないだろうな」
「例のタイミングで索敵に長けたパンダ班と恵班に分かれる。後は頼んだぞ、悠仁」
「オッス!」
先行する玉犬が吠える。
「どごいグのぉ〜?」
その先には木の枝にぶら下がった蜘蛛のような三級呪霊。
足は6本、頭に目が8つある。
「雑魚だな」
パンダの後ろで真希が大刀を構える。
直後に玉犬が右の森に向けて唸った。
それを見て伏黒が鋭い声を上げる。
「先輩ストップ!」
「うおおぉぉっ!!」
呪霊の脇から木々を薙ぎ倒して東堂が乱入してきた。
構えたこちらを見て不敵に笑う。
「ぃよぉーし!全員いるな。まとめてかかってこい!!」
真希の予想通り、全員を潰す気だ。
まとまって移動するのはここまで。
すかさず虎杖が東堂の顔面に膝蹴りを見舞う。
「散れ!」
真希の合図で虎杖以外のメンバーが左右に分かれ、急いでその場から離れる。
「東堂1人でしたね」
「やっぱ悠仁に変えて正解だったな」
真希と伏黒はさらに森の奥へ、東へ進む。
「分かっちゃいたけど、化け物ね」
「そっ、だから無視無視」
「虎杖くん、大怪我しないといいけど……」
「ツナ」
パンダ、狗巻、野薔薇、なずなの4人は、北の建物が並ぶ区画を目指す。