第10章 東京・京都姉妹校交流会
「東堂は、確実に直で私達を潰しにくる。真依も私狙いで便乗してくるかもな」
おそらく呪霊そっちのけで妨害に集中するはずだ。
「東堂は化物だ。全員で相手にして全滅するのが最悪のパターン。だから足止めとして1人だけ、パンダか恵を置いてくつもりだったが……」
東堂とパワー勝負できそうな人員がイレギュラーで入ってきた。
真希は虎杖を見据える。
「虎杖、オマエに任せる。索敵できる奴を減らしたくねぇしな。勝たなくていい、できるだけ粘って時間を潰せ」
「でも大胆にいけよ!ぶっちゃけオマエは予定外の戦力だから、リタイアしてもあんまり困らん」
グッと親指を立てる真希とパンダのあまりの言いようにひでぇと顔をしかめる虎杖。
「悪ィな恵、オマエ、東堂とやりたかったろ?」
以前、東堂が東京校で暴れた際、一番痛い目を見たのは伏黒だ。
その雪辱を晴らしたかったことだろう。
「いや別に、どっちでも」
「スーパードライだな」
パンダが思っていたほどではなかったようだ。
でも先輩、と声を上げた虎杖に全員の目が向く。
「やるからには勝つよ、俺」
静かに宣言した虎杖の顔は今まで見たこともないもので、なずなの背筋に少しぞわりとしたものが走った。