第10章 東京・京都姉妹校交流会
「オイ、来たぜ」
真希が階段の方を顎で指す。
そちらからは集団の足音。
「あら、東京校の皆さんお揃いで……わざわざお出迎え?気色悪い」
第一声を放ったのは禪院 真依。
「……乙骨いねぇじゃん」
少し残念そうに頭をかいている東堂 葵。
「うるせぇや、早く菓子折り出せ、コラ。八つ橋、葛切り、そばぼうろ」
「しゃけ」
京都銘菓の名前を挙げて指を立てる野薔薇。
未だに怒りが燻っているようだ。
そんな野薔薇を見て金髪を二つ結びにした小柄な女子生徒、京都校3年の西宮 桃は眉を寄せて手にした箒を握りしめた。
「なにあの1年、怖……」
「乙骨がいないのはいいとして、1年3人はハンデが過ぎないカ?」
京都校2年の究極(アルティメット)メカ丸。
どこからどう見ても人間ではない姿に「ロボだ、ロボがいる!」と野薔薇が声を上げた。
「呪術師に歳は関係ないよ」
メカ丸の言葉に真面目に答えたのは京都校3年の加茂 憲紀。
「特に伏黒君。彼は禪院家の血筋だが、宗家よりよほど出来が良い」
隣で舌打ちした真依に「何か?」と返している。
「別に」と嫌な雰囲気になっているところへ同じく京都校2年の三輪 霞が入ってくる。
「まあまあ、2人とも落ち着いてください」
スーツのような形の制服を着た三輪は刀を持っている。
あの人、どんな剣術を使うんだろう?
なずなはそう思わずにはいられなかった。