第2章 放課後遭難事件
学長との面談の後、五条はなずなを連れて学校内を案内していた。
教室や食堂、グラウンド、さらには学校を守る結界に至るまで諸々の説明をする。
最後に来たのは学生寮だ。
「男女で寮の建物が分かれてるんだ。なずなの部屋はここね。……隣は2年の先輩の部屋、なずなと同じ呪具使いだよ。今は出てるけど、夜には戻ってくるから、いろいろ教わるといい」
「は、はい」
やや緊張して自分の部屋の戸を開けると、最初に目に入ったベッドの上に何かが畳まれて置いてあった。
「それ、高専の学生証と制服だよ」
真新しい制服広げてみると、学ランにプリーツの入った膝丈のキュロットスカート、同じ布地のケープコートがセットになっていた。
……いつ服のサイズを言ったっけ?
「午後から1年生の顔合わせをするから、制服も着てみてね」
「あの、1年生って何人いるんですか?」
「今のところはなずなと恵の2人だけだよ」
「え!?」
呪術師が少ないことは知っていたが、なずなの予想を超える少なさに思わず声が出てしまった。
五条が出て行った後、早速制服を試着してみる。
服のサイズを伝えた記憶がないので、少し心配だったが、意外にも制服のサイズはピッタリだった。
……余計に謎が深まった気もしたが、ひとまず頭の片隅に置いておく。
食堂で昼食を済ませた後、なずなは午後から顔合わせする教室へ向かった。