第8章 同罪
つ、と雪子の白い指がホームを指差す。
その先には呪霊と戦っている伏黒。
「彼、あなたの大事な人?」
なずなにそう尋ねながら、その姿はみるみる変化していく。
「なに、を……!?」
共有された痛みに苛まれながら、それでもなずなは変化した雪子の姿に驚愕した。
まるで鏡映しのように雪子はなずなの姿になっている。
「今からあたしが彼を殺してあげる。あなたも大事な人を失えば、あたしの気持ちが分かるわ」
「やめてっ!!」
悲鳴のような声で制止を求めるなずなを、雪子は冷たく見下ろした。
「あたし達の邪魔をするのも、あの子を祓おうとするのも許さない。……あぁ、あなたはここでおとなしくしていてね?」
動けないよう念入りに術式をかけ直す。
「あああぁっ!」
激痛が全身を貫く。
「それと、これは借りていくわね。武器が違うと怪しまれちゃうから」
雪子はなずなの手にある鬼切を取り上げ、ホームへ続く階段へ向かってしまう。