第8章 同罪
しかし、改札口前で突然雪子がなずなの手を振り払って立ち止まってしまった。
「…………のよ……」
「えっ?」
立ち止まった雪子の言葉が聞き取れず、なずなは聞き返す。
「なんであなたがここにいるのよ?あたしとあっちゃんの邪魔しないで!」
――鏡感呪法……!
「痛っ!?」
突如全身に走った痛みになずなは膝をついてしまう。
え、え?
ウソ、攻撃されたの……?
でも目の前の彼女は指ひとつ動かしてない。
呪霊も線路の方で伏黒くんが相手している。
頭が混乱する中、雪子を見上げ、なずなは目を見張った。
呪術だ――
呪術を使ってる。
しかも駅にあった残穢と同じ気配……!
現場には見えなくとも呪霊がいて、その呪霊が呪術を使っていると思い込んでいた。
何より彼女は呪いに耐性がなく、取り憑いた呪霊の影響で病的に痩せ細っていたから、その可能性を見落としていた。
――日野 雪子は呪詛師だ。