第8章 同罪
梔子駅の最寄り高校の3年生だった林 敦美は、同級生からいじめを受けていた。
いじめの主犯格は同じクラスの女子のグループ6人。
メッセージアプリのクラスのグループに入れないようにしたり、別のグループチャットに悪口を書き込み、敦美をどんどん孤立させていった。
体操着を隠したりといった古典的なものもあったらしい。
他のクラスメイトは主犯格の女子6人に逆らえず、敦美は孤立を深めたまま、1学期が終わる。
夏休みが明けた9月、彼女は梔子駅のホームから線路に飛び込み、電車に撥ねられて亡くなった。
その2ヶ月後、いじめの主犯格だった6人のうちの1人が敦美と同じように自殺した。
その時は敦美をいじめた罪の意識に苛まれて自殺したのだと思われていたが、さらに1ヶ月も経たないうちに2人目が同様に自殺、3人目、4人目と自殺が続いた。
そして5人目の自殺が決定的だった。
駅にいた大勢の生徒がその最期の言葉を聞いたのだ。
「すみません、許してください!もうしないから、お願いだから、殺さないでぇっ!!」
そう泣き叫びながら、線路に飛び込んで電車に撥ねられた。
自殺しようとしている人がそんなこと言うだろうか。
その5人目の自殺以降、瞬く間に学校内に噂が広がった。
……ーこれは、林 敦美の復讐だー……