第31章 断章 Happy Merry Birthday
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結局、サプライズは諦めて事前に知らせる形で誕生日会をすることに決め、なずなは伏黒と2人きりになったタイミングで12月22日の予定を聞いてみることにした。
ちょうど今日予定されているのが伏黒と2人の任務だ。
聞くとしたら、やっぱり任務が終わってからだよね、
任務前に聞くのは場違いというか、TPOを弁えてない感じがするし……
こういうことを改まって聞くのはなんだか緊張するが、呪霊を祓除が終わって帳を抜ける前に思い切って切り出す。
「め、恵くん、再来月の22日は空いてますか……?」
「別に空いてるけど」
「その、お、お誕生日会をしたくてですねっ」
「なんで敬語?」
緊張のあまり敬語になってしまい、しかもそのことに気づいていないなずなに伏黒の問いかけは届かず、そのままの勢いで続ける。
「な、何か食べたいものはありますか!?」
「食いたいもの……」
いきなり聞かれると咄嗟に出ない。
誕生日に毎年食べている料理は特にないし、食にこだわりがある方でもないし、嫌いな食べ物以外ならなんでも大丈夫だ。
だがそんなふうに言えば間違いなくなずなを困らせる。
それは自分の本意ではない。
せっかく聞いてくれたのだから、きちんと希望を伝えるべきだ。