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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第28章 断章 浜辺の誘惑



「伏黒くん、全然戻ってこない……」

「どこまで行ってんのよ、アイツ」


心配したなずなが賑わう海岸を目を凝らして探すと、見慣れたツンツン頭が……


「いた!……でも、近くにいる人は誰だろう?」

「え、どこ?」

「あそこ、海の家をちょっと通り過ぎたところ……」


よく見ると伏黒の周囲にいる女性達が話しかけているようだ。

女性は3人。
おそらく全員なずな達より年上だ。小麦色の肌に鮮やかな配色のビキニが際立つ。


「……逆ナンじゃない?」

「!?」


衝撃的な単語になずなは勢いよく野薔薇の方に振り向いた。


逆ナン、ということは彼女達が伏黒を誘惑していて、それについて行ったら……具体的にどうなるかは分からないが、きっとアバンチュール?とかそういう何かがあるに違いない。


こうしてはいられない!!


バシャリと立ち上がったなずなを見て、野薔薇はニヤニヤと挑戦的な笑みを浮かべている。

「お、助けに行くの?いいじゃない。大胆に行きなさいよ」


しかし、立ち上がった勢いとは裏腹になずなは眉を八の字に寄せて自信なさげな表情だ。


「の、野薔薇ちゃんも一緒に来てくれない……?」

「なんでよ?それじゃあ面白くな……意味がないわよ。私はここで見といてあげるから1人で行ってきなさい」

「で、でも3対1……」

「つべこべ言ってる内に伏黒取られても知らないわよ」

「!、い、行ってくる……!」


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