第28章 断章 浜辺の誘惑
おもむろに畳んだ制服を置こうと前屈みになった真希に野薔薇が思わず声を張った。
「屈んじゃダメです!!」
「?」
屈むとただでさえ豊かな胸が更に強調されてかなり危険だ。
固まって動けないなずなの隣で野薔薇は真希の制服を半ば取り上げて、真希の代わりに置く。
そして勢いよく真希の方を振り向いた。
「いや、想像はできましたけど!これは想像以上にヤバいというか……ヤバすぎます」
「ヤバいしか言えてねーぞ」
「真希さんの水着って別にマイクロビキニとかじゃなかったですよね!?なんでそんなことになってんですか!?」
「これでも売ってた中では大きいサイズだったんだけどな。やっぱ水着は試着できないのが厄介だよ」
「その格好でビーチバレーとかやっちゃダメですからね!やるんだったら上にTシャツ着てくださいね!!」
「野薔薇厳しいな」
「なずなもそう思うでしょ!?」
なずなに同意を求めるが、返事がない。
そちらを見るとなずなは真希を凝視してただただ呆然とするばかり。
野薔薇の言葉など耳に入っていなかった。
肌、綺麗、
手脚、なんであんな長いの……?
顔、小さい、
髪も綺麗、
腹筋、すごい、
胸……谷間……水着から溢れそう……
自分と比べて何から何まで別次元……
「……」
「ああもう!しっかりしなさい!」