第7章 日々是特訓
「言っておくが、それ絶対に失くすなよ?」
「失くしませんよ」
「売ったら5億は下らねぇからな」
「えっ……」
5億……?
もしも紛失したらどうなるのだろうか。
伏黒は少しだけ背筋が寒くなるのを感じた。
「なかなか壮観だな」
最終的に持ち出す呪具を出して並べ、真希はどこか満足げに笑った。
特級呪具の游雲を筆頭に、黒い刀身の刀、トンファーの呪具もある。
武器庫呪霊なしで1人の術師が一度にこの数を持つこともなかなかないだろう。
「刀を使うんだったら、基本的なことは一度なずなに教わった方がいいかもな」
「えっ、でも真希先輩、もう教えてませんでしたか?それなら私が教えられることってそんなにありませんよ」
「何言ってんだ。見様見真似の私と違って、オマエはしっかり基本を教わってるだろ。今の恵には基礎固めも必要だ」
「真希先輩、見様見真似とは思えないくらい熟練じゃないですか」
私よりずっと強いのに……となずなは顔をしかめているが、押しに弱いなずなが真希に勝てるはずもなく、結局押し切られてしまった。