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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第25章 断章 呪具女子!



帰り道、なずなは少し気になったことを真希に尋ねた。


「あの、戦う時に眼鏡って危なくないですか?コンタクトの方がいいんじゃ……」


呪霊には見られていると感じると襲ってくるものがいるため、サングラス等で目を隠す術師もいるが、真希の眼鏡には色が入っていないし、そういった目的ではないのだろう。


「ん?ああ、コレな。かけてみな」

「……あれ?度は入ってないんですか?」


渡された眼鏡をかけてみるが、裸眼の時と見え方は変わらない。


「お、おしゃれな伊達眼鏡だったり……?」


強いと身の回りのおしゃれにも気を使えるようになるってこと……?


なずなの言葉に真希は思わず吹き出した。


「違ぇよ、私はそれがないと呪いが見えねぇんだ」

「え……?」


眼鏡を返そうとしていたなずなの手が止まる。


呪いはある一定量以上の呪力を持った人間にしか見えない。
これは呪術師には必須といっても過言ではない能力。

術師の家系であれば尚更、ましてや真希は御三家の一角である禪院家の出身だ。


呪いが見えない程呪力量が低いのなら、禪院家では相当酷い扱いを受けたのでは……?



知らなかったとはいえ、伊達眼鏡などと言ってしまったことに後悔の念が込み上げてくる。


「す、すみません、私、すごく失礼なことを……!」

「別に謝ることねぇよ、気にすんな」

「あの、呪いが見えないってことは呪力もほとんどないってこと、ですよね?」

「それなのになんで呪術師になったのかって聞きたいのか?」

「は、はい……あ、いやでも、話したくなかったらいいんです、術師としての腕を疑ってるとかじゃないのでっ、真希先輩、私よりずっと強いですし……っ」

「1人で何慌ててんだ?別にそんなことで機嫌損ねたりしねぇよ……呪術師になったのは、家に嫌がらせするためだな」

「い、嫌がらせ……?」

「大物術師になって、家の連中に吠え面かかせてやるんだよ」


不敵に笑う真希は、嫌がらせしようとしているとは思えないくらいさっぱりとしている。



呪力をほとんど持たないというハンデをものともせず、ひたむきに強くなろうとする真希の姿勢に、なずなはますます尊敬を深めるのであった。



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