第25章 断章 呪具女子!
真希が補助監督に祓除完了のメッセージを送り、なずなに帰るぞと合図する。
なずなはというと、興奮冷めやらぬといった様子で目を輝かせていた。
「先輩すごいです!まるで私の癖を全部分かってるみたいな動き……欲しいところにもうフォローがあって、すごく戦いやすかったです!」
その純粋な尊敬の眼差しに真希は少し照れくさくなる。
「……そりゃ、昨日大体見たしな」
「30分くらいしか打ち合ってないのに、ここまで分かるんですか!?」
驚嘆するなずなにそんなに驚くことでもないと肩をすくめ、そういえば、とあることを思い出した。
「それよりなずな、少し握り込みが甘くねぇか?」
「へ?握り込み、ですか?」
「ちょっと握り方見せてみろ」
言われた通り、鬼切を持っている右手を少し持ち上げて真希に見せる。
「やっぱりな、この刀の柄、調整してねぇだろ。オマエの手に合ってねぇよ」
「え、でも刀ってそういうものじゃないんですか……?」
「ある程度は調整できるようになってるだろ。コレ、前は誰が使ってた?」
「お、お父さんです」
やっぱりなと真希は嘆息した。
成人男性の手のサイズに合わせてあるのなら、学生の、しかも少し小柄ななずなが握るには太すぎる。
「だったらもう少し細くした方がいい。高専には定期的に呪具を調整する技師が出入りしてるから、それの柄巻も見てもらえ」
「は、はい……!」