• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第25章 断章 呪具女子!



「い、今のは痛そう……!」


額に攻撃を受けてふらつくなずなを見て、乙骨が思わず自分の額に手を当てた。


一方的に真希に押されている打ち合いは見ているだけでハラハラする。


「……なんだか僕がここに入学したばかりの頃を思い出しちゃうな」


入学したてで呪術師になるにもまず体力が足りなかった頃、武術の特訓で毎日のように真希にボコボコにされていたのを思い出してしまう。


苦笑した乙骨の横で狗巻が小さく首を横に振った。


「おかか、おかか」

「え?……ああ、そうだね。あの子、当時の僕よりずっと動けてる」


さすが呪具使いの家系出身なだけあって、動きに無駄が少なく、木刀も扱い慣れているのが見て取れる。
加えて、力では真希に勝てないと判断し、受け流す姿勢に切り替える早さも中々のもの。


手合わせどころか動き続ける体力すらなかった入学当時の乙骨とは大違いだ。


だが、多少動けるだけでは到底真希について行けるはずもなく……


「あっ」


案の定、なずなは真希に足払いされ、小さく悲鳴を上げて背中から倒れたのが見えた。













結局反撃もできぬまま、なずなはコテンパンにやられてしまった。


「……弱っちいな、呪術は使わねぇのかよ?」

「え、と、鬼切がないと使えなくて……」

「鬼切……オマエの家に受け継がれてる呪具だっけか?」

「は、はい。私の術式は鬼切の呪力を吸って身体強化するもので……なので、鬼切がないと全然意味がないというか……」


でも、たとえ身体強化術式を使っても、腕力、脚力、体幹、足捌き、武具の扱いの熟練度、全てで先輩に劣るだろう。

一学年違うだけなのにここまで差が開いていると、今までどのような鍛練してきたのか気になってくる。



しかし、それを直接尋ねる度胸は、今のなずなにはなかった。



/ 1228ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp