第7章 日々是特訓
「よいしょっと」
バスタオルで脱水する前に、軽く絞って水気を切る。
「あんまりねじるなよー」
ここでもパンダの注意が入る。
なずなも素直に従って、押し絞るだけに留めて、乾いたバスタオルでキャシィを包む。
絞りきれていない水気を吸って、バスタオルはいっぺんにびたびたに濡れてしまう。
バスタオルを絞ってまたキャシィを包んでを繰り返してようやく脱水も完了。
次は風通しの良い場所で陰干し、と思ったら、パンダから「待った」がかかった。
「もう一回ブラッシングするぞ」
「えっ、またやるんですか?」
「そうだ。乾かす前に毛を逆立てる感じでブラッシングしておくと、仕上がりが良くなるんだ」
へぇと目を丸くしながら、なずなは言われたとおりにせっせとブラシをかける。
「よし、ブラッシングはこれくらいで大丈夫だ。後はちゃんと乾かしてやるんだぞ。濡れたままだと気持ち悪いんだ。カビ生えるかもしれないし」
風通しの良い日陰にすのこを出し、その上にキャシィを平干しする。
今日は快晴、気温も上がるので夕方まで干しておけば、乾ききるだろう。
額に流れる汗を拭って、ひと段落。
まさかここまで重労働になるとは思わなかったけれど、良い気分転換になった。