第7章 日々是特訓
パンダから借りたブラシでキャシィを全身くまなくブラッシングする。
毛足は長くないので、外側の汚れはそこまで苦労せずに落とせた。
次に持ってきたのは大きな桶。
キャシィも入りきるサイズだ。
「水じゃなくて、ぬるま湯にしろよ。あと、洗剤はおしゃれ着用の洗剤。柔軟剤もあるとベストだな」
パンダのレクチャーで桶にぬるま湯を張って、ちゃんとおしゃれ着用の洗剤も用意した。
柔軟剤も野薔薇から借りてきて、これで準備万端。
洗剤を入れて少しかき混ぜ、キャシィを浸す。
水を吸ったところで、中に入り込んでいる砂埃を出そうとぎゅっと押したら、パンダが慌てて止めた。
「もっと優しく!優しくゆっくり押し洗いだぞ」
「は、はいっ」
その後もアレコレとパンダの注意を受けながら、押し洗いが終わって、何回か水を替えてすすぎ、再度ぬるま湯を張って今は柔軟剤につけている。
水を含んだキャシィはかなりの重量になっていて、水替えのために移動させる度にけっこうな力仕事だ。
今は術式は解かれているからただの大きなぬいぐるみだが、もしこの状態で襲いかかられたら、ひとたまりもないかもしれない。
そんなことを考えているうちに柔軟剤のつけ置きも終わり、次は脱水をかけていく。