第24章 おかえり
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家入の指示でひと通りの検査を受ける間、五条は伊地知から自分が封印された後の出来事について報告を受けていた。
夏油の遺体を乗っ取っていた術師は羂索という1000年前の術師で、真人ら特級呪霊に加えて百鬼夜行を引き起こした夏油一派の呪詛師達、他にも複数の呪詛師と手を組み、渋谷事変を起こしたこと。
帳に閉じ込められた多数の非術師、連絡役を担っていた窓や補助監督が殺され、その上七海と直毘人の殉職……
「……地下5Fの人達はどうなった?」
「渋谷駅は渋谷事変で湧いた呪霊の爆心です。東京の非術師は渋谷に近いほど生存率が低い。ですが、地下5Fは五条さんの残穢で呪いが全く寄りつきませんでした」
「“無量空処”の後遺症は?」
「ありません。既に全員社会復帰を果たしています」
「そりゃ結構」
勘で決めた0.2秒だったが、上手くいったらしい。
「それで、今は何が起こってる?東京に2か所、デカい結界がある。ここに来るまでに別のもあった」