第24章 おかえり
五条から問題無いと言われても、なずなの不安は完全にはなくならなかった。
宿儺の呪力は弱まってると言っているけれど、それは“今は”ってことだよね、この先もずっと続くものなの?
いつかは鬼切の呪力がなくなって術式効果が発揮されなくなって……宿儺が出てきてしまわない?
もしそうなったらまた恵くんは……
それに宿儺を封印できてるのなら、なんで恵くんは目を覚まさないの?
私の封印が不完全だったってことじゃないの?
鬼切は本当に宿儺だけに効いてる?
恵くんも傷つけていない?何か悪影響が出ていない?
「でも、でも……っ」
制服の裾をぎゅっと握りしめ、口を引き結ぶ。
落ち着かない様子のなずなとは対照的に五条はあっけらかんとしていた。
「大丈夫だって、さっきも言った通り宿儺はちゃんと抑え込まれてる。あとは恵次第ってとこかな……あんまり起きないようだったらビンタでもかましたら?」
「そ、そんなこと、しません……!」
なずなが少々ムキになって言い返していると、病室に虎杖が入ってきた。
「先生〜、家入さんが探してたよ、検査だって」
「あ、もうそんな時間?……じゃ、僕は行くけど、あんま心配しなくても大丈夫だよ」