第24章 おかえり
「で、恵の中に宿儺と鬼切の呪力が見えるんだけど、なんで?」
「お、鬼切を使って宿儺を封印したんです……その、宿儺の生得領域に無理やり入って、宿儺のへそを突き刺して……」
「え、封印したの?」
五条が問い返すとなずなは自信なさげに小さく頷いた。
「成程、それでこうなってる訳ね」
「わ、私、ちゃんと封印できてるか自信がなくてっ、初めてだったし、やり方も全然分からなくて……」
どんどん困り顔になっていくなずなを見て、思わず五条は吹き出す。
「わ、笑い事じゃないですっ」
「くくっ、ここまで攻撃的な封印は初めて見たからさ。随分痛めつけたじゃん、宿儺のこと」
「え……?」
「あ、分かってなかった?意図してやったことじゃない?現在進行形でダメージ入ってるっぽいんだけど」
六眼に映っているのは宿儺の呪力が鬼切の呪力に抑え込まれている様子。
しかもその宿儺の呪力は虎杖が初めて指を飲み込んだ時に表出した宿儺よりかなり弱い。
このまま放っておけば完全に抑え込まれ、宿儺は復活するどころではない。
文句無しの完璧と言える程の完成度だ。
「今の宿儺の呪力はなずなの封印で指1本分より小さくなってる上に徐々に弱まってる。これなら宿儺は出てこれないよ」
「で、でも、宿儺の指自体は猛毒ですよねっ、早くなんとかしないと……!」
「ああ、それは問題ないと思うよ。指の毒にやられるような肉体を宿儺が受肉先に選ぶとは考えられない」
そんなことをすれば、乗り替えた瞬間に肉体諸共死ぬかもしれないのだ。
「……ぇと、恵くんも宿儺の器ってことですか?」
「そうだったってこと。1000年生まれてこなかったのにポコポコ出てくるのはちょーっと信じがたいけど……まぁ、恵の場合は親が親だし」
「?」
疑問符を浮かべるなずなに「こっちの話」と返す。
「とにかくノープロブレムってこと」