第24章 おかえり
・
・
・
五条の気配はそうそう隠せるものではなく、夏油の遺体を運び入れた直後から病院内は騒がしくなっていた。
だがそこは五条悟、こんな時でもサプライズ精神は忘れない。
無駄に六眼を駆使して絶妙に見つからないルートで移動し、正面玄関の扉を大きく開いて声を張る。
「おっひさ〜!!皆お待ちかねのグレートティーチャ……」
「五条先生!!」
「おっせーよ、バカ目隠し!」
「真希さん、先生は封印されてたんだから仕方ないよ」
「封印されんのが悪い!」
「ははっ、真希の言う通りだよ、憂太。今回は僕が悪い。苦労かけたね」
続々と集まってくる生徒達を五条が労うと、集まった全員が信じられないといった顔になる。
「あの悟が俺達を労っただと!?」
「明日は槍が降るんじゃねぇだろうな」
「こんぶ、明太子!」
「皆ちょっと言い過ぎだよ」
「じゃあ憂太はどうなんだよ?」
「僕も信じられないけど……」
「ほらみろ〜」
「乙骨先輩もそう思うんスね、ちなみに渡辺は?」
「ご、五条先生はこれまでも労ってくれたことあった、と思うよ……?」
「いや疑問形じゃん」
言いたいことを言っている生徒1人1人を見て本当に苦労をかけたことを思い知る。
パンダは3つあったはずの核が1つに減り、サイズも人の肩に乗れるくらい小さくなっており、真希は顔から両腕に火傷痕が広がっている。
狗巻は片腕がなくなり、虎杖は顔と口元に大きな傷痕が、なずなも目尻と首を横切る傷痕が増えている。
10月31日に渋谷にいなかった3年生の秤と綺羅羅、それに乙骨を除いた全員が何かしら傷ついたのだ。
それに2人いない。
「恵と野薔薇は?」
一瞬、五条の脳裏に最悪の事態がよぎる。