第24章 おかえり
「……呪霊操術ならそれも可能、か。ったく、滅茶苦茶やってくれる。でも確かにそれなら地震にも説明がつくな」
「ってことは五条先生、海底で出てきたってこと!?大丈夫なの!?」
「無下限呪術なら水圧は問題ない。瞬間移動もできるから海上に出ることもな。ただ、五条が獄門疆から出た瞬間に自分の居場所を正しく認知できるかどうか……」
腕を組んだ家入が苦い顔をする。
五条は無下限呪術をオートで発動できるから水圧による圧死の心配はないが、空気がないことはどうしようもないため、すぐに水の中であると気づかなければ溺死する危険はある。
空気を求めて瞬間移動する先も方向や距離を間違えれば海上に出られない。
「せめて五条が回游に参加していれば生死だけは分かるんだがな」
「五条先生、死滅回游が起きてることも知らないですからね……」
「じゃあもし仮に解放された五条が海上まで出たと仮定した場合、次どうすると思う?」
日下部の問いかけに対し、五条の教師とは思えない行動の数々が頭に浮かんだ生徒達はうーんと唸る。
「まず高専に来るとしたらもう来てるよな。俺達の居場所も六眼ならすぐ分かるだろうし」
「死滅回游の結界を壊して回る……とか?コガネ、これまでに外から破壊された結界はある?」
「無いんだぜ!」
「違うか……」
コガネの即答を聞いた乙骨は肩を落とした。
「こっちじゃなかったら京都の方?」
「いやいや東京の荒れ具合を無視してそっち行くか?普通」
綺羅羅が首を傾げ、問いかけられた秤は首を横に振る。
そこへ虎杖が口を挟んだ。
「でも先生、全然普通じゃないし」
他にも総監部や五条家に行った可能性や自らを封印していた獄門疆を調べているだったり、呪霊狩り、呪詛師狩りをしているのではと話し合ったが、どれもあまりピンと来ない。