第7章 日々是特訓
「気分転換……何しようかな……?」
気分転換、といっても特訓がなくなるわけではないので、遠出はできない。
校内でもできることで、いつもやらないこと……
そうだ、昨日柱に縛りつけてしまったお詫びと日頃のお礼を兼ねて、キャシィをきれいにしよう。
しかし、
「うーん、けっこう砂埃がすごいかも……」
ほぼ毎日グラウンドで取っ組み合っているおかげで、軽くはたいただけでキャシィからは砂が出てくる。
ならば洗濯機と思ったのだが、キャシィが意外にも大きく、洗濯槽からはみ出てしまう。
「……どうしようかな?」
つっこんだ洗濯機から顔を覗かせているキャシィを見つめながら、なずなは考え込んでしまった。
外に出て、動かないキャシィをボフボフと叩いているなずなを見て、野薔薇は眉を寄せた。
けっこう力を入れて叩いているように見える。
「なずな、どうしたのよ?いい加減ソイツにキレたの?」
「ち、違うよ!キャシィにはお世話になってるから、きれいにしときたくて……ほら、剣道とかって必ず道場を掃除するでしょ?」
日頃殴りかかられている恨みの発散をしているのかと思いきや正反対の答えが返ってくる。
「ファブっとけば?パンダ先輩が気に入って使ってるヤツがあったと思うけど」
そっか、パンダ先輩。
確かに呪骸のことを聞くには適任かもしれない。
さすがに砂埃は消臭スプレーでは落ちないだろうから、どうしたらいいか聞いてみよう。