第24章 おかえり
「ふむ……そんで!?」
「私が懸念しているのは五条悟の精神状態だ。彼は現代最強の術師なんだろう?」
天使の続けんとする言葉を家入が繋ぐ。
「五条がもし錯乱しているようなことがあれば、こんな狭い空間で封印を解くのは非常に危険……ってことでしょ」
ようやく虎杖や秤もイメージできた。
もし封印を解いた直後に五条が暴れたりしたら……
さながら怪獣映画の如く街が破壊されるのは想像に難くない上、誰にも止められない。
「そ、それは確かに……」
「デンジャラスだな……」
日下部も同じ懸念を持っていたようで、肩をすくめる。
「やっぱそうだよなぁ……それなら近場の演習場の方がまだいいか」
「演習場?」
「高専所有のな。出力や効果範囲がデカい、高専の敷地内で使うと周りに被害が出る術式の訓練に使うんだよ」
「そこなら五条先生が暴れても問題ないんですか?何かすごい設備があるとか……?」
あまり想像がつかないなずながおずおずと尋ねる。
「何もねーよ、んなスゲー設備も壊されて困る物もな。あくまでここで暴れられるよりマシってだけだ。逃げ場もあるし、五条だってずっと暴れっぱなしって訳でもねぇだろうし」
「どこにあるんですか?」
「ここならそうだな……第四が近い。埼玉にある」
日下部が伊地知に目配せし、伊地知が車の手配をしに出ていく。
「鉱山跡地の演習場だ。車で行けばそんなに時間はかかねーから」