第24章 おかえり
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「待て」
翌朝、早速高羽と虎杖が広げたシートの上に獄門疆“裏”を置いていると、天使が遮ってきた。
「ここで五条悟の封印を解くつもりか?」
「え、うん。ダメなの?」
「確かに人を迎えるにはここじゃ味気ないかもな……少し飾り付けしようか、折り紙ある?輪っかの飾りを作ろう」
そう言って高羽は指で作った2つの輪を繋げて示す。「おかえり」のメッセージボードも作って輪飾を飾ればそれらしくなるだろう。
しかし、この非常事態に折り紙などすぐに用意できないし、何より五条に会ったこともない天使はそんな理由で口を挟んだわけではない。
「そうじゃなくて、獄門疆の中では物理的時間は流れていないという」
「?」
「……つまり獄門疆の中では時間の経過が原因で餓死したり老衰することはない。本人が自死を選ばない限りはね」
「使い方によってはタイムマシーンとして使えそうだな」
腕組みした秤の言葉を天使は否定する。
「そういいものではないという話だ。物理的時間が流れていないからハロウィンからの19日間を五条悟がどう感じたか、私達には理解することはできない。一瞬のように感じているかもしれないし、逆に100年以上待ちぼうけを食らっている状態かもしれない」