第24章 おかえり
家入から来栖の面会許可を取りつけたなずなは虎杖と共に来栖の病室を訪ねていた。
「来栖さん、腕は……!」
来栖が着ているワンピースの右袖にはあるべきはずの膨らみがなく、重力に従って下に垂れている。
なずなは小さく息を呑み、眉を寄せた。
「あなたこそ大怪我だって聞きました。もう動いて大丈夫なんですか?」
「はい、なんとか……あの、来栖さんと天使さんにお話があって来ました。聞いてもらえますか?」
来栖は頷き、天使も口を現す。
「以前、天使さんは受肉した泳者を元に戻すのは無理ではないけど難しいって言ってましたよね、呪物と肉体が融合しているからって……もし、呪物の部分だけ判別できれば、引き剥がすことができますか?」
「状況による、としか言えないな」
「鬼切の封印ごと宿儺を消してほしいんです」
「!」
なずなの提案に天使は息を呑み、来栖は目を見張った。
「鬼切は宿儺の生得領域で宿儺を封印してます。封印が及んでいる場所だけに天使さんの術式を当てることができれば、恵くんへのダメージは最小限に抑えられる……どうでしょうか?」
「ターゲットマーカーということか……」