第24章 おかえり
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諸々の検査を全て受け終えたなずなは、家入に案内されて地下の病室に入った。
おびただしい数の呪符が貼り付けられ、元の壁が見えなくなっており、照明も薄暗い。
病室の中央にはベッドが1台だけ置かれ、そこに伏黒は寝かされ、太い縄で縛りつけられていた。
「恵くん……!」
なずなはベッドに駆け寄り、伏黒の手を握る。
握った手にはしっかりとした温もりがあり、呼吸は正常、顔色も悪くはない。
それを見てほっと胸を撫で下ろす。
ただ、伏黒の中にあるはずの鬼切はその気配すら感じられなかった。
これも術式使用禁止の縛りの影響なのかもしれない。
「悪いな、いつ宿儺が出てくるか分からない以上、自由にさせておく訳にもいかなくてな」
「私もこの対応はしょうがないと思います。……その、宿儺をちゃんと封印できたか断言はできないので……」