第24章 おかえり
翌日―……
今日も安静を言い渡され、ベッドに横になっていたなずなは自分の身体の変化を感じ取っていた。
呪力が今までとは比べ物にならない程漲っている。
乏しかったはずの自分の呪力が、だ。
なんで今になってこんなに?
目を丸くして手を軽く握って開いてみても勘違いではない。
首を傾げていると病室のドアがノックされた。
「渡辺、起きてる?入ってもいい?」
「虎杖くん!大丈夫だよ、どうぞ」
ドアが開いて虎杖が入ってくる。
そして、虎杖に続いてもう1人。
「乙骨先輩……!」
「お休みのところごめんね」
「いつ東京に帰ってきたんですか?」
「ここに着いたのは昨日の夜だよ。いきなり結界を自由に出入りする総則が追加されたから急いで仙台結界から出たんだ」
結界を出てすぐ伊地知に連絡を取ったが、その当時は高専側も何が起こっているのか分からず、一時待機。
その後、来栖が運び込まれると東京第1結界での出来事が共有され、東京へ急行した。
「……伏黒君と津美紀さんのことも聞いたよ。間に合わなくてごめんね」
「お、乙骨先輩が謝ることじゃないですっ」
申し訳なさそうに眉を寄せた乙骨に慌てて手を振ったなずなは、今朝からの異変について聞いてみることにした。
「あの、乙骨先輩に聞いていいことなのか分からないんですけど……今朝から呪力がちょっとおかしくて……」
「おかしいって?」
「今までとは段違いに多くなってるんです。試してないですけど、多分出力量も……」
これまでは鬼切から供給を受けなければ同級生と並び立てない程、なずな自身の呪力は総量、出力量共に低かった。
それが嘘のような感覚だ。