第24章 おかえり
「やめて……!!」
目を開くと、先ほどまでの暗い空間が嘘のように白を基調とした天井が。
すぐにさっきまでの光景は夢だと気づき、飛び起きる。
「め、恵くんは!?宿儺は!?」
「まずは落ち着け、とりあえずなんとか動ける程度までしか治してないんだ。無理して動くな」
視界の外から家入の声がしてそちらを向くと家入に虎杖、真希、狗巻、秤と綺羅羅、それとなぜかサイズがだいぶ小さくなっているパンダが勢揃いしていた。
……あれ?
こんなに人がいたの?
全然見えなかった。
それになんだが耳も変な感じ……
「伏黒はまだ寝てるけど、怪我は大したことなかったよ。宿儺も出てきてない。身体にも特に異常はないって」
真っ先になずなの問いかけに答えた虎杖はどこか沈痛な面持ちだ。
そんな虎杖を遮り、家入が前に出る。
「起き抜けですまないが、先に渡辺の身体の状態から伝えておく。全身に打撲、肋骨は4本骨折、右の眼球破裂、左耳の鼓膜穿孔、それに低体温症にもなってた」
「そう、ですか……」
「この内、特に酷かった箇所の打撲と肋骨骨折は治している。鼓膜もじきに治るし、低体温症ももう大丈夫だろう……ただ、私の反転術式では右眼は治せなかった」
改めて確認すると、視界の右側半分が暗く、右眼に手をやると包帯の感触に当たる。
だが想像していた程、大きな衝撃はなかった。
むしろ呪いの王と戦ってこれだけで済んだことが少し信じられないくらいだ。
腕や脚を1、2本失っても不思議ではなかったとさえ思う。