第24章 おかえり
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「あ、真希先輩!」
「来栖はもう病院だ。今家入さんの治療を受けてる」
「助かったんだな、良かった……!」
真希は東京第1結界に戻ってすぐ虎杖達と合流した。
「まだ憂太は着いてなかったけど、向こうにも情報は伝えて受け入れ準備をしてもらってる」
「じゃあ伏黒も連れて行けるんだな」
「恵は変わらずか?」
「うん、声はかけてみたけど全然反応無し。宿儺も出てくる気配無いけど……」
「……やっぱ家入さんに診てもらうしかねぇな」
「渡辺は大丈夫だった?」
「まだ家入さんの手が空いてなかったから応急処置しかできてない。悪化はしていないと思いたいがな……」
腕組みして肩をすくめた真希は更に注意点を説明する。
「宿儺がいつ出てきてもおかしくないから恵は特殊な病室に入ることになる」
「どんな部屋?」
「何かあったらすぐに結界で隔離できる部屋だ。悠仁も入ったことあると思うぞ。壁一面に呪符が貼ってある部屋だ」
「ああ、あれか……ってことは伏黒もガチガチに拘束される?」
今年の6月、宿儺の指を初めて飲み込んだ直後に入れられた部屋と更に椅子に縛りつけられたことも思い出した虎杖が苦い顔をした。
「かもな。病院で宿儺が出てきたら事だし」
「そうだよなぁ……」
そこに文句を言っても仕方ないので、ずっと来栖を探し続けている高羽も呼び戻し、3人は伏黒を連れて結界の外へ出た。