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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第24章 おかえり



裏梅も宿儺の異常事態を察知し、なずなを睨んだ。

虎杖の拳を凍りつかせ、素早く霜凪で足止めすると同時に氷の道を作り出し、その上を滑るように移動する。


「貴様、宿儺様に何をした!?」

「渡辺に近づくんじゃねぇ!」

すぐに氷の枷を破った虎杖が追いつき、裏梅を殴りつける。

その拳を防御しつつ、裏梅は大きく舌打ちした。

「チッ、忌々しいっ」

宿儺がまだ使うかもしれない肉体だけに裏梅は虎杖の身体を全力で凍らせることができず、苦戦を強いられる。


まだだ。
この小娘が主に何をしたか分からないが、まだ……


ここに来る前に準備してきた宿儺の肉体を仕上げるための“浴”。
本来は器物を呪具化するためのものだが、裏梅が準備したのはそんなものではなく、より魔に近づくためのものだ。
通常なら生物を材料にするところを呪霊で再現した特別な“浴”、そこに黒髪の少年の肉体を沈めれば更に魔に近づき、少年の魂はより深く堕ちる。

もしそれで足りなければ残りの指を探し出し、献上することで、主を取り戻す。


今の最優先事項は黒髪の少年を確保してここを離脱すること。

裏梅はいち早く離れるための算段を始めた。



……のだが、




「俺に触れるとヤケドするぜぇ?」



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