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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



裏梅が真希の攻撃を防いだところへ虎杖の拳がまともに入り、その腕の骨が折れた感触が拳を通じて伝わってくる。

「ぐぅっ」

堪らず呻き声を上げた裏梅だったが、すぐに周囲に鋭い氷柱を出し、虎杖達を引き剥がすと反転術式で骨折を治してしまう。


飛び退いた真希は眉を寄せた。

「……アイツの反転術式、厄介だな」

「渋谷で脹相の穿血受けて手に穴が空いたけど、それもすぐに治しちまった。毒は治せなかったけど」

虎杖の返答に真希はすぐ狙いを切り替える。

「ならまず頭だな、頭を先に潰す」


呪力は腹で練ると例えられるが、反転術式は頭で回す。
脳にダメージを負えば反転術式はまともに機能しなくなるはずだ。


すぐさま行動に移し、首から上に狙いを絞る。


一段と激しさを増した攻撃に裏梅は防戦一方だ。
それでも2人の手数に防御が間に合わない。


真希が裏梅の防御を浮かせ、その側頭部に虎杖の拳が迫る。

「獲った!!」


追い詰めた、と2人が確信した直後だった。


「っ、直瀑……っ」


苦し紛れに裏梅が唱えると上空から巨大な氷塊が落ちてくる。
戦闘中にも関わらず、虎杖達に気づかれないよう上空で作っていたようだ。


だがそれは真希や虎杖の立っている場所とは全く違う所へ落ちていく。




氷塊が落下するであろう先に視線を移すと……

そこにはなずなの結界が。


「チッ、狙いは最初からあっちか……!」


裏梅をなずなの結界に近づけさせないよう結界から距離を置いて戦闘していたことが仇となった。
今から全速力で走っても落ちる氷塊に届かない。


氷塊はなずなの結界に直撃し、外殻が大きく軋み、揺らいだ。


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