• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



それにその前に下拵え、というのも一興だ。


「ちょうどいいのも1匹いることだしな」

宿儺はなずなを見て舌舐めずりした。


この手で小娘を殺せば伏黒恵の魂は更に折れる。そうすれば抵抗する意思も削がれて呪力出力も多少は戻るだろう。

そして小僧を殺した後、肉体を仕上げる。


小娘を殺すのに多少抵抗されようが些末に過ぎない。


宿儺はなずなに狙いを定めた。



「渡辺ッ!!」


虎杖の切羽詰まった声が聞こえた時にはもう遅く、宿儺は目にも留まらぬスピードで一気に距離を詰め、なずなの頭を狙って拳を突き出す。



が、


すんでのところで姿が消え、拳はなずながいた場所を抉った。




「すまん遅れた。状況を簡潔に頼む」


その声にハッと振り向くと虎杖のすぐ横にいつの間にか真希が立っていた。

声を掛けられるまで気配を感じなかったが、腕には真っ青な顔のなずなを抱えており、宿儺の攻撃から彼女を遠ざけたのが一目瞭然だ。


「ま、真希先輩、恵くんが……恵くんが宿儺に無理やり指を飲まされてっ……!」


なずなの絞り出すようなか細い声に大方察した。


それ以上話せなくなっているなずなに代わり、虎杖が後を引き継ぐ。

「アイツは殺しても死なない」

「じゃ、殺してでもアレを捕まえるってことか。なずなもそれでいいな?」

「っ、ぁ、の……!」

「頭切り替えろ。アレが恵じゃないことくらい分かんだろ」


動けないなずなを置いて真希が動き出し、続いた虎杖と共に猛攻を仕掛けた。



/ 1099ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp