第7章 日々是特訓

それぞれなずなは木刀、伏黒は棍を渡され、構えて向き合う。


ちなみになずなは鬼切を携行している。身体強化術式だけ発動している状態だ。
鬼切なしのなずな相手だと伏黒も手加減しそうだったので、それでは訓練にならないと真希が判断した。


「恵、なずなは私とサイズ感も動き方も違うから気をつけろよ。……始め！」


真希の合図でまずなずなが切り込む。


伏黒くんは長物、間合いの内側に入りたい。棍の練習を始めてまだそんなに経ってないけど、真希先輩に教えてもらっているから、油断はできない。


横からくる薙ぎを避け、木刀を打ち込むが棍で受けられてしまう。

さすがに組み合っての力勝負に持ち込まれるとなずなでは勝てない。


反動をつけて一旦後退する。







一方で伏黒も棍を構え直す。

任務で何度も渡辺の戦い方を見てきたが、実際に向かってこられると、かなり素早く感じる。


木刀を受けた感覚は禪院先輩より軽い。
だが、こちらの攻撃は避けられ、流されて思うように入らない。

激しい打ち合いになる禪院先輩と比べて、渡辺は俺の攻撃をまともに受けないようにしているのか……？


そんなことを考えていたら、いつの間にか渡辺に間合いを詰められていた。

「……っ！」

とっさに動けなかった伏黒の首にピタリとなずなの木刀が当てられる。


「止め！……恵、首取られたな」