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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領




指向性のない無差別攻撃が止むと周辺の動く気配も消えた。


なずなはなんとか起き上がるが、心臓が早鐘を打ち、額から嫌な汗が流れる。

恵くんの鵺とは呪力出力が全然違う。
今の雷が直撃したら並大抵の術師は無事では済まない。

真希先輩は?
高羽さんは?
さっき宿儺に蹴飛ばされた虎杖くんは?
気絶させられた来栖さんは?


ひとまず目に見える範囲にいる来栖の方に目を向けるが、先程まで倒れていたはずの来栖がいない。


あれ、どこに……?


いなくなった来栖を探そうと周囲に視線を走らせようとした時、頭上から光が差した。


光はどんどん強くなっていき、感じる熱さも上がっていく。


この光は何?
熱い……!


髪の毛が焦げたような臭いも漂ってきた。
でもなずなの髪は燃えていない。


不審に思っていると、なずなの目の前にいる宿儺がじわじわと光に灼かれていた。


「!?」

これは何かの術式……!


眩ゆい光の先に目を凝らす。


するとそこには翼を広げた来栖の姿があった。

虎杖の肉体の主導権を奪った宿儺に昏倒させられていたが、共生関係にある天使の力によって短時間で覚醒したのだ。



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