第23章 本領
宿儺は以前伏黒と少年院で対峙した時、術式の潜在能力と宿儺自身への耐性を感じた。
すなわち伏黒恵にも器たり得る能力があると。
ただし懸念もあった。
「器」ではなく、虎杖のように肉体の主導権を奪えない「檻」になられると思うようには動けないため始末が悪いのだ。
伏黒に直接呪物を飲ませる手もあったが、あの時はまだ取り戻した力も指4本分しかなく、肉体の主導権を得られる確証はなかった。
だからより確実性を上げるため、虎杖の中で力を取り戻しつつ機を窺っていた。
伏黒恵の魂が折れる瞬間を、
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