• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



声の主は来栖を静かに横たえた後、ゆっくりと立ち上がる。

「小僧との縛りでな、この1分間は誰を殺しても傷つけてもならんことになっている」

その顔には宿儺の紋様が浮かび上がっていた。


「宿儺……!?なんで!?」

「虎杖くんに何をしたの!?」

縛りのことを全く知らない伏黒となずなは狼狽した。

何故宿儺が出てきた?

今回は無理やり指を飲まされた訳でもないのに、どうして宿儺に肉体を明け渡した?

それに“縛り”なんていつの間に?



宿儺は動けない2人を眺めて目を細めると、口角を上げた。

「もっともここからは賭けだがな」

宿儺の左小指に禍々しい呪力が集まり、赤黒く変色していく。
その様は特級呪物・両面宿儺の指そのもの。


そしてためらいなくその小指を引きちぎった。





「クッ……クックック!」

宿儺の高笑いが響く。

「つくづく愚かな小僧だ!!“誰も傷つけない”という縛りに自分自身を入れていない!」




伏黒もなずなも動けない中、虎杖が乙骨に頼んでいたことを思い出す。


―もし次、俺が宿儺と代わったら、迷わず殺してくれ―


今、この場に乙骨はいない。
どうしたって駆けつけられない距離だ。

自分達でやるしかない……!



/ 1101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp