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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



天元が羂索の呪霊操術によって取り込まれてしまったこと、日本中で慣らしが終わってしまったことは取り返しがつかないが、諦めるのはまだ早い。


真希を目の前にしてキョトンとしている来栖と高羽になずなが同じ学校の先輩で、共に死滅回游平定のために動いていると教え、真希には2人が味方であると伝える。

「真希先輩、こちらは高羽さんと来栖さん。天元様が言ってた天使は来栖さんと共生関係で……条件付きですけど、五条先生の封印を解いてもらえることになりました」


なずなに紹介された来栖が軽く会釈し、真希の表情もわずかに緩んだ。


「そこまで話が通ってるなら早いな」


来栖と高羽を交えて今後の動きを確認しようとした時、虎杖が手を挙げた。


「外では慣らしが終わってるんだよな?なんで同化が始まらないんだ?」

これには天使が答えた。

「術師は多分呪力で同化を拒めると思う。結界の中が無事なだけで外では既に同化が」

「いや、少し当てられやすい奴が調子崩したりしてニュースになってるが、基本的にいつも通りの日本だよ」

外では天元の言っていたような惨事は起こっていない。
わざわざ死滅回游という複雑な儀式を実行しているのになぜなのか、逆に不気味でもある。


「理由が分からん。まだ同化を始められないのか、始める気がないだけなのか……」

「もうその辺は俺達だけで考えても仕方ねぇだろ。今はとにかく津美紀の姉ちゃんだ」

慣らしが終わってしまったのなら死滅回游に巻き込まれた者がどうなるのか分からない。



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