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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



真希は腕を組んで肩をすくめる。


「慣らしが終わっちまっただけならいいんだけどな。自称虎杖の兄貴の話だと、天元様が羂索に獲られた」

「!!」

こんなに早く天元様が!?


言葉を失う3人に真希は外での出来事を伝えた。

午前0時頃に薨星宮本殿直上の迷宮に羂索が現れ、天元、九十九、脹相の3人で迎え撃ったこと。
天元は羂索が薨星宮に辿り着くことを予期しており、その対策も練っていたが、呪霊操術に加えて重力の術式を扱う羂索が一枚上手だったこと。


「現場の高専は酷い有様でな、確実なことは一つだけ」


それは獄門疆“裏”を持って薨星宮から生還した脹相から聞いたことだ。


―加茂憲倫が生きていることだけは分かる……だから!―



「憂太と同格の九十九さんが九相図と天元様と協力して敗れた。分かっちゃいたが、羂索は一筋縄じゃいかねぇな」

淡々とした口調で話す真希は一切慌てた様子がない。

「獄門疆“裏”が無事なのが不幸中の幸いだ」


伏黒は顔には出なかったものの、冷静すぎるその表情に驚いていた。

最悪に近い状況にも関わらずこの落ち着きよう……

たった数日で変わったな、真希さん。
何があったんだ……?



だが訝しみはしても3人とも真希にあったわずかな呪力が完全になくなっていることには気づかなかった。



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