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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第7章 日々是特訓



取り戻したスカートを広げてみると、野薔薇のものとは少し違うデザイン。

「……これ、真希さんのじゃん」

自分の制服と真希さんのスカート、それになずなのケープコートが盗られていた。

そこではたと思い至る。


「……なずな、真希さんを呼んできて」

低く唸る野薔薇はなんだか怖い。

「ど、どうして?」

「これは組織犯罪よ。真希さんも巻き込まれてるんだもの。首謀者突き止めて、絶対に吊るし上げてやる」

「わ、分かった」

野薔薇から並々ならぬ殺気を感じたなずなはコクコクと頷き、慌てて教室を出て行った。







どうしよう……?
ああなった野薔薇ちゃんは、きっと私じゃ止められない。

でも止めないとパンダ先輩や狗巻先輩のようにまた誰かが血を見る事態に……!



「ま、真希先輩ー!!」


ちょうどこちらに歩いてきた真希を呼び止める。

「野薔薇ちゃんが……!野薔薇ちゃんがパンダ先輩と狗巻先輩を殴っちゃって!」

「……なんでだよ?」

訓練はさっき終わったばかり。今日もハードな内容をこなして、疲れているはずだ。
それなのに、野薔薇が暴れている?

なずなの慌てぶりから冗談の類でないことは分かるが、ちょっと信じ難い。


「えっと、着替えようと思ったら、パンダ先輩と狗巻先輩が野薔薇ちゃんと真希先輩の制服を着てて、あ、私の上着も狗巻先輩が着てて。でも、野薔薇ちゃんのスカートだけ見つからなくて……野薔薇ちゃん、怒って犯人を吊るし上げるって。こ、このままだと犯人が野薔薇ちゃんにボコボコにされちゃうと思うので、真希先輩に止めてほしくて」

慌てていて要領を得ないなずなの説明でも、何が起こったのか大体察した真希はやれやれと肩をすくめる。

「……なずな、別に我慢しなくてもいいんだぞ?」

「へ?」

この時はまだなずなには真希の意図が分からなかった。



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