第7章 日々是特訓
訓練を終えて、着替えを取りに教室に来た野薔薇は首を傾げていた。
ジャージに着替えた後、机の上に制服一式を置いたはずなのだが見当たらない。
「ねぇなずな、私の学ラン知らない?」
「……私の制服には混ざってないよ……あれ?私の上着もなくなってる」
なずなも何度も確認するが、やはりない。
「おかしいなぁ、ここに置いといたんだけど・・・あ、パンダ先輩、私の学ラン知らない?」
「うーん、見てないなぁ?」
振り向いたパンダの身体にはミチミチと今にも弾け飛びそうな学ランが。
「フーン、ソッカァ、ドコイッチャッタノカナー?」
静かにパンダに近づく野薔薇の顔からは表情が削ぎ落とされている。
そして、手にした金槌で思いきりパンダの顔を殴りつけた。
「ヘブゥッ!」
鈍い音がしてパンダがダウンする。
「おい、スカートもねぇんだぞ!そこは超えちゃいけねぇ一線だろ!!」
血を流して倒れたパンダから学ランを脱がせようとするが、ギッチギチに収まっているためびくともしない。
呪骸であるパンダが流血するのもそうだが、この学ランをどうやって着たのかも謎だ。
なんとか剥ごうと格闘していると、今度は教室の扉が勢いよく開いた。
「高菜!」
扉の先では狗巻がバッチリとポーズを決めている。
しかし、いつもの制服ではなく、上にはケープコート、下はスカートだ。
もちろん野薔薇がそれを見過ごすはずもなくー
「お゛がが……っ!」
烈火のごとく、鉄拳が狗巻の脳天に炸裂した。
野薔薇が鬼の形相で倒れた狗巻からスカートを脱がす。
「ったく、ゴミ共が……!」