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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、



尋問を終えた伏黒は腕を組む。

とりあえず今欲しい情報は最低限手に入った。


「将来的に自国民が個人でエネルギーを自給自足するための研究か……」

真偽を確かめる術がないので如何とも判断し難いが、九十九が言っていたことと矛盾はないし、呪術うんぬんよりエネルギー問題と言われた方が現実的だ。


虎杖となずなはピンと来ていないようで、お互いに顔を見合わせている。


「むしろ今まで日本でそういう話が出なかったのが不思議ですね」

首を傾げる高羽の隣で来栖は意外そうに目を丸くした。

すると、

「この国のトップはあくまで呪術総監部だ。プライドの高い奴らが自ら音頭を取って呪力を普及しようなんてまずあり得ない」

尋問された男が答え、自嘲気味に笑う。

「ノブレスオブリージュ。自己責任論の強いこの国で根付くことはないだろうな」




「……羂索は新エネルギーを餌に非術師の軍隊を結界に招き、呪霊に贄として捧げるつもりか」

そう考察する伏黒に天使が口を開いた。

「大勢の死に際の呪力の発露、それを利用して各結界を呪力で満たし、この国の人間の天元との同化前の慣らしを終える」

「この規模の人数が各結界に?あり得ないだろ」

「で、でも実際に他の結界でもそうなってるみたいだよ?」

なずながコガネに指示して情報を出させると、人数のばらつきはあるものの、各結界の名前の横に天使が表示させたのと同様に1000人前後の数値が出ている。


「あの羂索だ。八方美人の二枚舌。おそらく複数の国の軍隊が投入されている」


伏黒は更に考察する。

死滅回游を始める前から羂索は各国に接触していた……



複雑な縛りが絡む死滅回游のデスゲーム自体、この事態を予想させないため?



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