第22章 呪い合い、殺し合い、
「おそらく羂索の狙いは呪霊による非術師の一方的な大量虐殺だ」
「なんで!?」
全員でホテルの部屋を出て階段を駆け降りながら虎杖が聞き返した。
「死滅回游の泳者の呪力によって結界が満ち切らなかった時の保険だな」
「だとしても1000人単位の一般人がどうして結界に押し寄せる!?」
羂索は人を操る術式でも持っているのか、そうだとしても1000人に術式を使うのは必要な呪力や術式範囲から不可能に近い。
それこそ彼が渋谷で使ったという“うずまき”のレベルだ。
それも1000年前から術師と契約して呪物を集め、器となる人間に呪物を取り込ませてきたからこそのもの。そんな頻繁に使える手ではない。
なんにせよ今は情報が足りていないので、全員が外へ急いでいると、
「……俺のせいかも」
突然高羽が神妙な面持ちで呟いた。
「え?」
「俺の人気が人々を狂わせる」
「……」
もはや誰もつっこまない。
これは空気を読んでいないのか、読んだ上で場を和ませるためにやったのか、
特に来栖と伏黒が冷たい視線を向ける中、虎杖が高羽に忠告した。
「こういう時はふざけない方がいいよ」
「まんすぅ〜」