第22章 呪い合い、殺し合い、
なずなは突然の虎杖の動作に驚いて固まっていたが、同じ動きを繰り返し始めたのを見て、何かのジェスチャーだと気づいた。
ただ肝心な“何の”ジェスチャーなのかが分からない。
パタパタしてるのは、羽……?
それが虎杖くんに……は、生えるってこと?
来栖さんみたいに?
じゃあほっぺをなぞってるのは?
えっと……ひげ剃り、とか?
……いくら何でも違う気がする。
多分そうじゃない、
そうじゃないはずなんだけど……!
口をへの字にしながら懸命に考えても妥当な結論に至らなかった。
伏黒も虎杖の妙な動作に目をすがめる。
何か伝えようとしている……?
分からん……
何が言いたいんだ?
でも移動したってことは来栖には知られたくない話……
来栖を横目に確認してすぐ虎杖に視線を戻す。
その証拠に来栖だけは虎杖の謎のジェスチャーが見えていない。
テーブルに肘をつき、顎に手を当てる。
来栖……?
いや、天使か……
天使に知られるとまずい話……
そこではたと思い当たり、瞠目して顔を上げると、肯定するように虎杖がうんうんと頷いた。
五条先生の封印を解くには天使の協力が不可欠、
協力条件は“堕天”という泳者を殺すこと……!
だが“堕天”は宿儺!?
つまり天使の標的は虎杖悠仁!!