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【呪術廻戦】-12年目の真実-

第7章 エピローグ


「どう? 五条とは? 大変だろうー?」
 硝子が笑う。

「いや、まぁー。なんか、高専の時より扱いにくくなってるのは気のせい?」

「ふふ。バカなのは変わんないけどな」

「私、好きだと思い込んでたのかな? 悟の幻影を追いかけてたのかな?」

「ふふ、今頃気づいたってもう遅いって! くくっ」

 無理矢理、悟のマンションに住むことになったいきさつを話すと、硝子がお腹を抱えて笑った。

「五条らしいよ、あぁ、未亜のそん時の顔、見たかったよ、あはは。でもよかった、幸せそうでさ。私も結婚しよっかな」

「ちょっとちょっと硝子までやめてよ。だから結婚してないって!」

「え? そうなの? 学校では五条、うちの奥さんって話してるよ」

「……嘘でしょ?? 今すぐやめさせて! バカ! もうほんと何やってんだか。あぁーLINEしとく!」

「ぷっ、あはは、そういうとこだろうね、五条が可愛いなと思うとこ。すっごいヤバイ呪霊ぼっこぼこにすんのにちょっとイジられたら顔、真っ赤にしてんの」

「酔ってんの?」

「私に言ってる? んなわけないでしょ。五条はいじめがいがあっていいんじゃない? お似合いだよ」

 ふぅー。なぜそうなるのかと未亜はため息をついた。

「今まで泣いてばっかりだったからね。今度こそ幸せにね。意地張らないで素直になるんだぞぉ」

 次の約束があるとかで、硝子は席をたち、2人はそれぞれ会計を済ませ、一緒に"小鳥箱"を出た。

 別れ際に、硝子は「しばらくやめていたタバコがうまい」と言ってポンっと未亜の肩を叩いた。次の約束の場所に向かって硝子はゆっくりと歩き出す。

「しょうこー! あーりーがとねー!」

 大きく手を振ると硝子はチラッと振り返り、軽く右手をひらひらさせて夜の街へと消えて行った。



 自販機が4台並ぶ休憩場は今も全く変わっていなかった。雑談したり、体術の後に喉を潤したり、はたまた任務で帰ってきた仲間を労ったり、と高専時代によく利用していたスペースだ。

 日陰になっていて涼しいし、学校の中でもお気に入りの場所だった。

「全員集合ー!」
 悟が両手をパンパンと叩くのと同時に1年のみんなが集まってくる。あぁそんな走らなくてもいいのに……。

 未亜はひとつ呼吸を入れた後、息をたっぷり吸う。


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