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【呪術廻戦】-12年目の真実-

第1章 再会


 2人で任務に行ってもそんな事一度もしなかったのに、「はぐれたらお前、高専まで1人で帰れねーだろー?」っていきなり繋がれたがっちりした大きな手。

 五条が最速で1級に昇級した時「お祝い何がいい?」って聞いたら、お前にしか出来ないことって言う。
 考えたけど答えが出なくて「そんな事ある?」って聞いたら「なんでわかんねぇの?」ってキスされた。

 後輩が入学してくる度に「なぁーお前なに未亜のこと見てんの?」っていきなり喧嘩うったりしてたっけ。

 「最近、硝子とばっか出掛けてんじゃん!」とよくわからない嫉妬で喧嘩して、口きかなくなった時は、これ被ったからいらねーって、激レアのガチャキーホルダーを投げつけるように渡されて……あれで謝ってんだよね? って硝子が笑う。

 なんだかんだ楽しくて、少しずつ五条への好きが加速していって、私も嫉妬したっけな。

 でもあれはアイツが悪い。

 街を歩くと5分の1の確率で、一緒に写真撮ってくださいと女の子に声をかけられる。隣に私いるのに断んなよ、って思ったけど、断ったら可哀想じゃんって――まあそれに応じるのはいいとして、回さないでいい手を肩に回してる。絶対、悟も乗り気でしょ!

 歓楽街の雑居ビルの入り口で、一度、きれいなお姉さんにキスされてるのを見てしまったこともある。今思えば、私が知らなかっただけで、もっと他にもあったのかも。
 
 あぁ、聞くのも嫌だぁと思ったけれど、やっぱり聞かなきゃ、と悟に確かめると「グッドルッキングガイも楽じゃないんだよ」って大変そうな顔をして、初めて会っていきなりあっちから奇襲されたんだって言う。

 それなら仕方ないか、と思ってたけど、夏油に話聞いてもらったら「残念だけど、それはないかな、悟は無下限呪術があるから」と苦笑いをされ……。
 再度五条を、問い詰めた。

「最低! クズ!!」
「あーはいはい、わかったよ、悪かったって。でもほんとに事故的なやつだし……っていうかさぁー、未亜、そんなに俺のこと好きになったのー?」

 サングラスを少しずらしてその隙間から煽るような目をして微笑している。

 ありえない! 本気で怒ったし、泣かされたし、色々な事があったけれど、今となっては何もかもが淡い青春の思い出だった。
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