第6章 12年目の真実
一連の出来事が終わりを迎え、少し落ち着きを取り戻した頃、五条からもう少し詳しく話を聞きたいと呼び出され、説明するために学校に向かった。
ちょうど授業も終わった放課後の時間帯で、教室の一室を借りて話をすることになった。
外ではまだ生徒たちが自主訓練を行なっているのか、ヤァ! と気合いの声が飛び交っていたり、術式の詠唱が聞こえている。
さっきまで生徒がいたと思われるこの教室も熱気を帯びており、窓は半分開放されていた。
茶枠の格子窓のガラス部分がカタカタと優しい音を立て、気持ちのいいそよ風が舞いこんでくる。
入り口から見る教室の風景は未亜の高専時代と変わらなかった。
懐かしい気持ちに浸っていると、教卓にいる五条からここ座ってと前方にある机と椅子を指定され、生徒みたいにそこに座る。
「じゃあ、出席とるぞ」
「ふふっ、そういうのいいから」
「あれ? 似てなかった そっくりだったでしょ?」
五条が夜蛾先生の真似をしてきたが、あまりの似てなさに逆に笑ってしまった。
悟が教師なんてイメージできなかったけど五条先生ってこんな感じなのかなぁ? 想像を膨らませてクスクス笑う。
「はい、はじめまーす」
" 五条先生 "の号令で話を始めた。