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【呪術廻戦】-12年目の真実-

第1章 再会


「気付いてるよな?」
「もちろん」

 五条が目で合図をし、それと同時に挟みこむようにして中に入ったのだが、見えたと思った呪霊は瞬く間に消えてしまう。

 みるみるうちにその空間が狭くなり、2人は背中合わせになった。どうなってるの? 攻撃したが寺子屋の空間が歪んでまるで効いてる感じがしない。

「おい、手だせ!」
 六眼で何かが見えたのだろうか? 五条は突然未亜の腕を掴み、付けてる腕時計をパリンと割った。

 十種影法術が影を媒体して式神を召喚するように、その呪霊は時空という媒体の中から姿を表した。

 つけていた腕時計の中に咄嗟に身を隠していたようだ。腕時計が割られて居場所をなくした呪霊がその全貌を現すと、五条にとってはわけもない相手で、呪霊はあっという間に祓われた。

 未亜は割られた腕時計に視線を落とし立ちすくんでいた。

「にしても、古そうな腕時計だな。だから余計に身を隠しやすかったんだろーな。あいつら古汚なそうなの好きだし」

「……あのさ、これおばあちゃんの形見だったんだ。そんな言い方やめて」

 帰り道で、さっきは悪かったな、と五条がポツリと謝る。悪気があって言ったんじゃないことは分かっていた。だけど、気持ちの踏ん切りがつかなかった。その日はいい返事が返せないまま、学校に戻ったのだった。



「五条、いいよ。五条は悪くないって。私がくよくよして悪かったよ。ごめんもらえないよ、こんなの」

「お守りみたいなもんだから。死なねーよーに付けとけ。呪具みたいなもんだ」

 さらに手の中に腕時計をねじ込んでくる。彼が言うには、代々五条家の祀りで奉る石があるようで、それが埋め込まれているとのこと。ジュエリーだと思っていた文字盤は、五条家の由緒ある玉石だったようだ。

 五条家の呪具と言われると興味がわかないわけはなく、そこまで言うのなら、と時計を受け取った。

 実際その腕時計をしていると、術式が洗練されるような気がしたし、着け心地もよくて見た目も可愛くて、未亜はとても気に入っていた。

 学校に着けていくと気のせいか五条も機嫌が良さそうで、彼とは、日に日に話す時間が長くなっていった。
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